店の味を体験してもらったら
もう一度と思ってもらうこと。
代々木公園近くの閑静な住宅街に佇む「テオブロマ」は、「ミュゼ・ドゥ・ショコラ」つまりチョコレート美術館という別名がつけられている。オーナーの土屋公二氏のチョコレートへのこだわりがうかがえる店だ。「舌もサービスもお客様はごまかされません。」という一言の裏にも丁寧な商品作りが伺える。小規模の店にとってリピーターがいるかどうかは大きなポイントである。彼らがまた口コミで次の客を呼んでくれるのだ。
▲当初は反対されたラックオーブンも今ではメインオーブンの一つだそうだ。
チョコレートのブランドショップとしての名を確立したテオブロマにとってリピーターの存在は大きい。つまり手を抜くことは許されない。そんな土屋氏の品質へのこだわりはラックオーブンの天板の熱伝導の分析にまで至る。他所とはちょっと違う天板を使っているそうだ。ゆっくりと火が入り、まんべんなく熱が行き渡るラックは焼きむらがない。重いチョコレートを中に入れて焼くベイクドチョコレートケーキや、マカロンの歯ざわりなどはラックに限るという。
先見の明と計画性
ラックオーブンを開店時から導入。
ラックオーブンは大手ショップの大量生産のためのもの、という固定観念がないだろうか?
土屋氏は平成11年3月のオープン当初からラックオーブンを導入した。周囲の反対は当然である。しかし土屋氏の決心は固かった。「まとまった量の注文がきた時にできないって断れば、そのお客様は2度と注文してこないんですよ。」
▲オーブンの特性を知ってこそ、良い焼きが生まれると語る土屋さん。
そして、「売りたいという願望があればラックオーブンは必需になってきます。」と言葉を続ける。とは言いながら、土屋氏の頭のなかではラックオーブンは3年目からの本腰稼動を予想していたそうだ。そして現実はといえば、予想はうれしい方向にはずれてくれたようである。クッキー、シュークリームのシュー、マカロンなどを中心に毎日約1時間稼動している。最近の人気商品、マカロンは1回に約1000枚、2日に1回の割合で焼くそうだ。
大量と少量の中間をすりぬけた
高品質・中量のオーダーが利益に。
テレビ東京の「テレビチャンピオン」の優勝者としての土屋氏をご存知の方も多数に上ると思われる。だが決してこれは店をオープン、拡大していく経営手腕とは同じものではないようだ。チョコレートが氏の専門分野であるが、店のオープンにあたってはヨーロッパ志向の本物の洋菓子店を目指してパンやキッシュ、ひいては紅茶やジャムなどを幅広く揃え、客のニーズに応え、客層を広げることも考慮されている。
また、大量生産にはない丁寧でデリケートな手作り高級品のイメージを壊すことなく、中量程度の一括オーダーにも応えられる生産能力を持つ。最近では企業の社長室の贈答品をはじめ、まとまった数量の注文が増え、店の利益に貢献しているそうだ。
▲ブリオッシュなど本格パンも人気メニューの一つだ。
ラックオーブンは、こういった点からも導入価値は大きかったという。
来年4月には広尾に新店舗オープンの予定。そろそろ氏の頭はこれに向けてフル回転を開始したもよう。経営者としてもなかなかの手腕の持ち主と見うけられた。
テオブロマ
東京都渋谷区富ヶ谷
1-14-9
TEL.03-5790-2181
ラックオーブンの
人気焼成品ご紹介
□ショコラ・クラシック
きれいに焼くのが難しいというベイクドチョコレートケーキ「ショコラクラシック」。ビターなチョコレートが口中に広がる。
□シュー
焼きあがったばかりのシュー。シュークリームの表情にも一味違った独自の顔を持たせている。さくっとした食感。
□アマンド・サブレ
しっかりと焼けたクッキー「アマンド・サブレ」はさくっとした歯ごたえと口中で広がるアーモンドの香りでロングランの人気を誇る。