主張する特注ラックオーブンは
アイキャッチャーの役割も
すごい!と思ったのは、ラックオーブンだ。最近の人気ショップの多くは、きれいにディスプレイされたショーケース越しに奥の厨房が見渡せるよう、ガラスがはめ込まれている。が、こちら、「エスプリ・ドゥ・パリ」の本店は、厨房が見えるのはもちろん、ガラスドア越しにラックオーブンが店の表に向かって置かれている。
▲大きな全面ガラスは子ども達が中を覗けるようにと、特注で作ったもの。
しかも、このオーブンのドアは全面一枚ガラス。作動中は庫内に吊るされて回転しているラックの様子が客からも眺められるようにできているのだ。特注デザインによるもので、外壁はワインレッドと白、黒のカラーコーディネーションという凝りようだ。オーナー・パティシェの鈴木敏恭氏は豪快さのなかに、細かい気配りをする神経を持ち合わせたような方で、この特注オーブンも、「子供達が中を覗けるようにすれば楽しいでしょ。」と、笑ってみせる。なかなかない発想だ。
家族思いのオーナーパティシェは
客思い体にやさしい、こだわりの商品作り
鈴木氏は、合成保存料や防腐剤は一切使用せず、乳化剤は昆布から抽出した自然なものを使う。素材には奥久慈の地鶏卵、北海道直送のバター、低脂肪のフレッシュクリームなどを使い、「おいしくて、安全なお菓を」という基本的な姿勢を大切にしているそうである。それでいて、近所の子供達が小銭を持って買いに来られるような値段におさえたいという。また、人気商品のひとつ、リーフパイは5年以上かかってあたためた商品で、他所とは違うという自信作。
▲人気のリーフパイはこのラックオーブンの火でしか焼き上げられない。
幾重もの薄い皮でふっくらと厚みがあり、ふわふわさくさくした舌触りである。なんと45分から50分をかけ、高温から低音に下げて熱風でじっくりと焼き上げるのだそうだ。つまりは人気があって売れるからこそできる丁寧さなのだろう。鈴木氏のこだわりは、季節限定のフルーツを使ったお菓子にも現れる。最高の品質のものを提供しているが、値段も張ってくるので、今は自分の農園作りも考えているそうだ。
良質商品をあくまで安価に押さえたい
ラックオーブンの効率性がこれをサポート
東京都武蔵野市、隣の敷地にあった本店店舗を現在の位置に移し、拡大新装したのが昨年6月で、これを機にラックオーブンを導入したそうだ。デパート内の店舗を含めて現在5店舗を持っているので、量的にはラックオーブン1台あればずいぶん効率的なようだ。鈴木氏は、「効率化を図ることで、良質なものを低価格で提供できるようになりました。」と言う。ラックではタルトレット、パイの皮、マカロン、その他の焼き菓子をその都度量産している。リーフパイは1日に1000〜1400枚を焼くそうなので、特注ラックオーブンは、その活躍ぶりを存分に客に披露しているようである。
▲鈴木氏とスタッフ一同。一人一人のこだわりがお店のカラー。
本店には喫茶コーナーも設けたので、軽食もできるように、メニューを練っている最中だそうだ。そば粉を使ったクレープギャレットやパン類をやっていきたいと抱負を語ってくれた。ラックオーブンはさらに稼働時間を延ばしそうである。
エスプリ・ドゥ・パリ
東京都武蔵野市中町3-5-12
フォレスト1F
TEL.0422-54-5139
ラックオーブンの
人気焼成品ご紹介
□マカロン
焼きがモノを言うお菓子マカロン。6種類の味が揃っている。1個160円という値段に抑えているのは、子ども達にも人気があるから。
□ブルターニュ物語
ブルターニュのギャレット生地をアレンジして使ったレーズンサンド、「ブルターニュ物語」はパティシェの自信作のひとつ。
□クロッカン・ザマンド
細かめのアーモンドスライスを使ってカリカリ感をひきたたせたクロッカン・ザマンド。伝統の味を現代風にアレンジしている。